【名作時代劇特集】鬼平ファン必見!中村吉右衛門「鬼平犯科帳」シリーズの名作7選!

鬼平犯科帳シリーズ 捕物出役に向かう鬼平

フジテレビ系列で1989年から放送されてきた池波正太郎原作の大人気時代劇「鬼平犯科帳」シリーズ。
江戸時代中期を舞台に、凶悪な盗賊たちを相手に格闘する火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官を務めた長谷川平蔵を主人公として、個性豊かな配下の者たちや敵の盗賊たちを含めて、人間を魅力的に描いた時代劇です。
歌舞伎俳優で人間国宝の二代目中村吉右衛門さんが主演を務めてきました。

この記事では、私の独断と偏見でこれまでに放送されてきた「鬼平」シリーズの中から、オススメの名作7作品をご紹介します。
中村吉右衛門さんの「鬼平」シリーズは、すべての作品が名作と言っても過言ではないのですが、鬼平ファンならずとも「これは見てほしい!」というものを選びました。

「鬼平犯科帳」とは、どんな時代劇?

これまでに「鬼平犯科帳」シリーズをあまり見たことがない方のために、そもそも「鬼平」とはどのような時代劇なのか、分かりやすく解説していきます。

「鬼平犯科帳」シリーズは、日本を代表する歴史小説家の池波正太郎氏の同名小説が原作の時代劇です。
江戸時代中期、商家が蓄える莫大な財宝を目当てにした盗賊たちが数多く跋扈していました。

盗賊たちは、証拠隠滅のために押し入った家の者たちを次々と殺害したり、家に火を付けたりするなど、凶悪な手口で盗みを働いていたのです。
繰り返される盗賊の犯行に対処するために、幕府は強い権限を持つ専門の捜査機関である火付盗賊改方を設置し、その長官に旗本の長谷川平蔵を据えました。

「鬼平犯科帳」は基本的にフィクションの時代劇ですが、主人公の長谷川平蔵は実際に存在した人物です。
また「鬼平」では、実際に江戸時代に起こった事件をモチーフにした作品もあります(例えば、この記事で紹介する「妖盗葵小僧」など)。

長谷川平蔵:二代目中村吉右衛門

鬼平犯科帳 鬼の平蔵を中村吉右衛門が演じる

出典:FOD

火付盗賊改方の長官。人呼んで「鬼の平蔵・鬼平」。鋭い推理力と観察眼で次々と凶悪な盗賊たちを捕らえてきた。
厳しく盗賊を取り締まり、時には捕物出役(盗賊を捕まえに出向くこと)では刃向かってきた盗賊をその場で斬り捨てることも。
一方で、犯罪者であっても義侠心に厚い者や止むに止まれぬ事情で犯罪に手を染めた者には、寛大な処分を下すこともある。

木村忠吾:尾美としのり
火盗改の同心(下級の部下)。見た目が芝の菓子屋の「うさぎ饅頭」に似ていることから「うさぎ」や「うさ忠」とからかわれる。
時代劇「鬼平」シリーズのなかでは、なんとも頼りないマスコット的なキャラクターとして、シリアスな内容になりがちな作品のなかで、笑いの要素を付け加えている。

ドラマの中で、鬼平は与力や同心といった正規の火盗改の職員だけではなく、密偵という私設の配下の者を使う場面が多いです。
盗賊のことは盗賊自身がよく知っている、という考え方にもとづいて、盗賊稼業から足を洗った者に探索を行わせています。
「鬼平」シリーズでは、個性豊かな密偵たちの働きが魅力的に描かれているのが、見どころの一つです。

おまさ:梶芽衣子
火盗改の密偵。平蔵とは放蕩時代からの仲だった。
不幸な運命によって盗賊の引き込み女となるが、平蔵が火盗改となったことを知り、彼を助けたいと思い密偵になる。
大滝の五郎蔵:綿引勝彦
火盗改の密偵。元々は「殺さず、犯さず、貧しきからは盗らず」という盗みの掟を忠実に守る本格派の盗賊の親分。
平蔵に命を救われたことで、盗賊稼業から足を洗い、平蔵の密偵になる。
シリーズの後半でおまさと夫婦になっている(作品によって二人の関係は微妙に異っている)。

「鬼平犯科帳」基本用語集

時代劇「鬼平犯科帳」シリーズでは、独特の用語が頻繁に用いられます。
基本的には作品を見ているとなんとなく分かるのですが、「鬼平」を初めて見た人でも戸惑わないように、ストーリーの展開上、大切なキーワードをご紹介します。

用語読み方説明
急ぎ働きいそぎばたらき盗賊が手段を選ばず、押し入った先で人を殺し、女性を襲う盗賊のなかでも外道の行い。
これを嫌う本筋の盗賊や火盗改は、畜生働き(ちくしょうばたらき)とも呼ぶ。
殺さず、犯さず、貧しきからは盗らず「(押し入った先で)人を殺さない、女性を犯さない、貧しい人からは盗まない」という伝統的な本筋の盗賊の三つ掟。
これを忠実に守るには、必然的にまるで風のように、誰にも気付かれることなく盗みを行う必要がある。
「鬼平」シリーズの世界観では、盗賊にも急ぎ働きを繰り返す外道と三つの掟に忠実な本筋の盗賊が明確に区分されている。
引き込みひきこみ盗賊が押し入る家に入り込み、内側から鍵を開けるなどして、盗賊を引き入れる盗賊の一味。
奉公人だけではなく、医師や按摩(マッサージ師)、客として入り込むことも。
盗人宿ぬすっとやど盗賊たちの隠れ家。
繋ぎつなぎ連絡を取ること。盗賊たちが使うこともあれば、火盗改が使うこともある。
いぬ火盗改の協力者(密偵)の元盗賊。イメージ的には銭形平次のような岡っ引に近いが、違うのは元々は盗賊で十手を持っていないこと。
「鬼平」シリーズのなかでは、鬼平・長谷川平蔵から与力・同心と同じぐらい強い信頼を得ている。

スペシャル版「盗賊婚礼」

鬼平犯科帳 盗賊婚礼 鬼平と長嶋の久五郎

出典:FOD

「盗賊婚礼」あらすじ

薬種問屋「山城屋」に盗賊が入り、七百八十両が盗まれた。平蔵(中村吉右衛門)らの調べにより、関東一円を荒らし回っていた大泥棒・傘山の弥兵衛の息子・弥太郎(市川染五郎)一味の仕業と判明する。引き込み女を山城屋に奉公させるために、それらしい親元まで作って五年もの歳月をかけるという本格のやり口だった。ある日、弥太郎のもとに、尾張の凶盗・鳴海の繁蔵(布施 博)の使いである長嶋の久五郎(松平 健)が手紙を持って現れた。手紙は、先代同士の遺言で、弥太郎と繁蔵の妹・お糸(黒川智花)が結婚する約束だという内容だった。弥太郎は、久五郎を通じて、お糸とは結婚するが稼業の上での付き合いはしないと返答する。先代とは違う、繁蔵一味の非道な急ぎばたらきを、弥太郎は快く思っていなかった。

出典:FOD

スペシャル版「盗賊婚礼」では、暴れん坊将軍でお馴染みの松平健さんが出演しています。
盗賊という悪人にあっても、恩義を受けた相手に対して、男として義理を通そうとする久五郎の姿に心打たれる名作です。
特にラストのシーンは、涙なしには見られません。

スペシャル版「兇賊」

鬼平犯科帳 兇賊 鬼平と鷺原の九平

出典:FOD

「兇賊」あらすじ

平蔵(中村吉右衛門)ら火付盗賊改方は、船宿「松島屋」の二階座敷で極悪非道の盗賊・網切の甚五郎(大杉漣)一味を捕えようとするが逃走され、密偵・馬返しの与吉(本田博太郎)を失ってしまう。一方、元盗賊・鷺原の九平(小林稔侍)は、四十年ぶりに故郷・加賀金沢の田近谷を訪ねていた。九平が地蔵堂の中で雨宿りをしていると、軒先に三人の男がやってきて、平蔵暗殺の密談を始めた。その中の頭領こそ、甚五郎だった。九平の江戸での仕事は、居酒屋「加賀や」の亭主。その芋酒は地元でも評判だった。ある日、加賀やに着流し姿の平蔵がやってきた。

出典:FOD

盗賊たちに命を狙われ、孤軍奮闘しながらも鮮やかな立ち居振る舞いを平蔵は見せます。
盗賊を追い詰める平蔵の見事な太刀さばきからは、絶対に悪を許さないという執念を感じます。
小林稔侍さんが演じる鷺原の九平のトボけた演技がなんとも心地よい作品です。

スペシャル版「泥鰌の和助始末」

鬼平犯科帳 泥鰌の和助始末 鬼平と和助

出典:FOD

「泥鰌の和助始末」あらすじ

元盗賊・泥鰌の和助(石橋蓮司)は、不破の惣七(寺島進)、その手下の鎌太郎(吉見一豊)に盗みの助ばたらきと人集めを持ちかけた。五年前に足を洗った和助だったが、ある事情から、生涯最後のお盗めを企んでいたのだ。だが、和助は、盗みの日取りも押し入り場所も明かそうとしない。いら立った惣七は、和助が引き取って育て上げた徳次郎(福士誠治)を、自分の情婦のおみね(酒井美紀)に誘惑させ情報を得ようとする。おみねに迫られた徳次郎は、和助からお盗みの詳細を聞き出そうと探りを入れるが、のらりくらりとかわされてしまう。そのころ、密偵のおまさ(梶芽衣子)が、昔馴染みであるおみねと再会したことで、一味の動きが発覚。平蔵(中村吉右衛門)は、和助や惣七の存在を知ることとなった。

出典:FOD

「鬼平」シリーズのなかでも、特に悲しいストーリーです。
詳しく書くとネタバレになるので、書きません。作品を見てもらった方が良いです。

時代劇といえば、勧善懲悪というイメージがありますが、「鬼平」はそれだけではありません。
盗賊という悪人にあっても、人間としての義理や人情を最後まで通そうとする姿。
しかし、それでも過酷な運命には逆らうことができないという悲しい作品です。

第6シリーズ・第8話「男の毒」

鬼平犯科帳 男の毒 男に翻弄された悲しい女性・おきよ

出典:FOD

「男の毒」あらすじ

盗賊・黒股の弥市は、平蔵の前で持病の労咳によって果てた。その弥市に長い間体をもてあそばれいた娘・おきよは、自由の身になって小間物屋に嫁ぐ。だが、彼女の体はすでに一時も男なしではいられないものになっていた。これがもとで男運に見離されたかに見えたおきよの前に、弥市と顔が瓜二つの盗賊・簀の子の宗七が現れた。

出典:FOD

別にR18という訳ではないのですが、子どもには見せづらい作品です。
しかし、男の身勝手な欲望が女性を苦しめる。しかも、その身勝手な男が死んだ後でも、その女性を苦しめ続けるという女性の悲しさを描いています。
子どもには勧めづらいですが、大人の男女には見てほしい作品です。

第3シリーズ・第19話「密偵たちの宴」

鬼平犯科帳 密偵たちの宴 鬼平と高利貸しの竹村玄洞

出典:FOD

「密偵たちの宴」あらすじ

久しぶりに密偵の五郎蔵、彦十、おまさ、粂八、伊三次、豆岩たちが宴会を開いた。近頃流行の急ぎばたらきの盗賊に、自分たちで本格的な盗みの手本を見せてやろうという話が飛びだした。狙いは、悪名高い高利貸しの竹村玄洞。ところが、探りを入れると玄洞の家に、盗賊、鏡の千十郎一味の引き込みが入っていた。その一方、平蔵は千十郎一味を追っていた。

出典:FOD

この作品は「鬼平」シリーズの中でも、特にコミカルな面白さのある作品です。
鬼平から絶対的な信頼を得ている密偵たちが事もあろうに、高利貸し・竹村玄洞の家に忍び込み、首尾よく莫大な財宝を盗み出します。
作品の一番最後の、見事秘密の計画を成功させた密偵たちが開いた宴に平蔵がひょっこり現れるシーンは必見です。

第1シリーズ・第5話「血闘」

鬼平犯科帳 おまさ(梶芽衣子)の初登場回

出典:FOD

「血闘」あらすじ

平蔵の屋敷に、おまさという娘が訪ねて来た。おまさは、平蔵が若い頃通った居酒屋の娘。酔いつぶれた平蔵を何かと面倒みてくれた。今では、札差・大月に住み込みで働いているが、それは、盗賊・仁三郎一味を引き込むためである。だが、一味の計画があまりにも凶悪であることを知り、足を洗おうと決意するおまさ。全てを聞かされた平蔵は、その日からおまさを密偵として使う。梶芽衣子がこの5話から女密偵として活躍する。

出典:FOD

私が見てきた「鬼平」シリーズでも、一二を争う傑作が「血闘」です。
「鬼平」シリーズには欠かせない平蔵の密偵・おまさ。
彼女が平蔵の密偵になるきっかけの事件が描かれています。

おまさが火盗改の密偵であることが盗賊に知られてしまい、乱暴されたうえで殺されそうになります。
平蔵はおまさを救い出すために、盗人宿に単身乗り込み、盗賊たちを怒り狂ったように次から次へと斬り倒していくのです。

その場面で、盗賊・仁三郎が平蔵を頭に血が上ったおまさの色(情を交わした相手)だとからかいます。
それに対して、平蔵は一言「貴様ら外道の刀で、あの女の色が斬れるか」と啖呵を切るのです。

平蔵とおまさの関係が単なる上司と部下に過ぎなければ、「貴様ら外道の刀で、火付盗賊改・長谷川平蔵が斬れるか」と答えるのが普通でしょう。
しかし、一度は盗賊の仲間に堕ちていき、地獄のそこのような辛い日々を送りながらもおまさの心の奥底を信じる平蔵の姿をものがたる一言が、「貴様ら外道の刀で、あの女の色が斬れるか」なのです。

第7シリーズ・第3話「妖盗葵小僧」

鬼平犯科帳 妖盗葵小僧 島木譲二が出演

出典:FOD

「妖盗葵小僧」あらすじ

兇賊・葵小僧一味は次々と江戸の商家を襲った。その手口は、金品を盗むばかりか女房や娘を犯すという凶悪なもの。襲われた商家も、外聞を恐れてなかなか名乗りをあげず手掛かりも掴めない。平蔵は事件に声色役者が一枚噛んでいると睨み、一方で葵小僧が日野屋の女房の体に執着していることを知る。

出典:FOD

「鬼平」シリーズの中でも、実際に長谷川平蔵が関わった事件をモチーフにしている作品です。
寛政3年(1791年)に平蔵の手によって捕らえられた葵小僧という盗賊の一味がテーマになっています。

葵小僧は、将軍家の家紋である葵の紋所を描いた提灯を持った盗賊たちで、押し込んだ商家で金品を強奪するだけではなく家の妻や娘を襲うという卑劣な犯行を繰り返していました。
平蔵の手によって捕縛された盗賊一味は、被害者の名誉を傷つけないように、わずか10日ほどで打首獄門となったのです(中世と言えど、わずか10日ほどで刑が決まり処刑されることは異例中の異例:作品のなかでは10日より、もっと短いです!必見!)。

作品のなかで、葵小僧を演じたのは「パチパチパンチ」や「しまった、しまった、島倉千代子」でお馴染みの吉本新喜劇・島木譲二さんです。
こう言うとすごく失礼かもしれないのですが、島木譲二さんの怪演ぶりが、なんともハマっていた作品でした。

「鬼平犯科帳」シリーズを見るならFODがオススメ!

鬼平犯科帳シリーズ 捕物出役に向かう鬼平

出典:FOD

以上、フジテレビで1989年から放送が始まった中村吉右衛門さん主演の「鬼平犯科帳」シリーズから、独断と偏見でオススメ7作品をご紹介しました。
「鬼平」の魅力は、時代劇作品にありがちな勧善懲悪を越えた世界を描いている点です。
盗賊という悪人であっても、人間としての義理や人情を通そうとする姿が魅力的に描かれています。

最後に「鬼平」シリーズに出てくる数多くの名言から一つご紹介します。

人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ。

出典:池波正太郎公式サイト「鬼平犯科帳 二 谷中いろは茶屋」

人間という複雑なものを、複雑なまま、それでいて面白く魅力的に描いた作品というのが「鬼平犯科帳」なのです。

正直に言って、7作品に無理やり絞りましたが、ほかにもオススメの作品はたくさんあります。
そんな「鬼平犯科帳」シリーズは動画配信サービスのFODで、この記事で紹介した7作品を含む150作品以上が視聴できます。
「鬼平」以外にも「銭形平次」や「大奥」シリーズなど人気時代劇作品が見放題で、1ヶ月888円(税抜き)です。
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